2012年6月13日(ブルームバーグ):イタリアのモンティ首相は増税が裏目に出始める兆候を目の当たりにしている。

今月5日に公表された政府統計によると、イタリア経済がリセッション(景気後退)に陥りつつある中、ベルルスコーニ前首相が昨年9月に付加価値税(VAT)の税率を1ポイント引き上げて以来、同税の受取額は減少。4月末までの1年間の徴収額は2006年以降で最低に落ち込んだ。

財政目標の達成を目指すモンティ首相にとって、適切な赤字削減の組み合わせを見いだすことは、イタリアが欧州金融危機で最大の犠牲者になる事態を回避する上で極めて重要。欧州全般に財政緊縮策への反発が広がり、不況で社会保障費は増大しているだけに、モンティ首相は緊急にイタリア経済の競争力向上に取り組む必要に迫られている。

ハーバード大学のアルベルト・アレジーナ教授(政治経済学)は「この政府は増税し過ぎた」と述べ、「歳出を減らす方がはるかに良い」と指摘した。

モンティ首相は13日、スペインによる救済要請方針の表明後では初めて議会で証言する。スペインの救済要請を受けてイタリアが投資家の次のターゲットにされる恐れがあるが、格付け会社フィッチ・レーティングスのマネジングディレクター、エド・パーカー氏は12日、イタリア財政はスペインより良い状態であるため、イタリアに救済が必要になる可能性は低いとの見解を示した。

VAT税収の減少を示す数値を受け、同国政府は税率をさらに2ポイント引き上げる措置の延期を迫られる可能性もある。モンティ首相はVAT増税を延期するため、歳出見直しで見込む40億ユーロ強の節約分を利用する計画だった。首相側近らも増税によるリセッションの深刻化の可能性を認めている。

原題:Italy Tax Increases Backfire as Monti’s Belt TighteningDeepens(抜粋)

出所:Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M5J56U6K50XS01.html