はじめに
Amazon、eBay、 楽天、Shopify、WooCommerce、コロナ渦において世界で拡大し、今でやあらゆる企業が注目する「越境EC(E-commerce)」。越境ECはサイト作成後数分後から販売開始でき、世界の市場からの新たな売上機会になるといった良い面は紹介されます。反面、現地の税金や、様々なコストについてはあまり共有されていません。VATなど現地の税金は、販売者が現地の購入者に課税・徴収しますが、越境ECの場合でも課税・徴収・申告の場合は発生します。
税理士や弁護士等、国内の専門家が海外の税務や法務の知見が有る訳ではありません。
このコラムでは、越境ECの税務面について、豊富な経験を有するオプティ株式会社が「越境EC税務ナビ」としてQ&A形式で提供します。当越境EC税務ナビが、越境ECを考えている様々な企業のお役立ちになれば幸いです。
【Q】売上税(Sales Tax)とはどのような税ですか
【A】売上税 とは米国での日本の消費税同様、物品やサービスの販売時に課税される間接税です。英語名ではSales and Use Taxと呼ばれています。
売上税は米国の連邦税ではなく、州税です。売上税は現在45の州にて採用されています。売上税は各州毎にルールが全く異なるため、詳細を調査するのも非常に難易度が高いものです。
売上税のネクサスとは
売上税の登録義務・徴収義務の発生を「ネクサス(Nexus)がある」と表現します。
徴収義務があるかどうかを決めるためのネクサスは、州外の業者であっても次のような事実があった場合、州内にネクサスがあるものとして、売上税の徴収義務が発生します。
要約すると、①州内に事務所を構えている、②州内に資産を所有している、③定期的にたとえば、年に3〜4回その州を訪問するセールスマンまたは代理人がいる、といういずれかの条件に該当する場合には、その法人はその州に物理的に存在しているものとみなされ、売上税、使用税の徴収を義務づけられます。
米国の州が売上税や使用税上の登録を必要とするためには、当該州での最低限の関わりが必要となります。先ほどネクサス認定されるケースについて説明しましたが、これらの関わり合い、または「ネクサス」の認定は州によって異なっています。
加えて州毎の売上税・使用税ネクサス基準はそれ以外の税(例:法人所得税、雇用税等)の認定範囲と異なります。現地の連邦法人税や州法人税は別のネクサス基準がありますので注意が必要です。
インターネットネクサス
ネクサスについても、前述の通常のネクサスの他、インターネット特有のネクサスもございます。
越境ECセラーの企業様で有りがちな例として、米国Amazonでの販売の場合、マーケットプレイス・ファリシテーター法の存在により、一切の売上税登録義務や申告義務が免れると勘違いされる例が多くあります。 実際はマーケットプレイス・ファシリテーター法があるからと言って売上税の登録義務や申告義務が免れるという訳ではありません。通常のネクサスの他、上記に示した4つのインターネット系のネクサス全てについても判定を行う必要があります。 |
売上税登録
売上税を徴収するためには、売上税登録をする必要があります。売上税を課税・徴収したら、売上税の申告及び納付を行う必要があります。
当社では米国売上税のアドバイザリー業務の他、売上税登録・売上税申告を行うコンプライアンス業務もございます。売上税のアドバイスは非常に複雑です。是非当社アドバイザリーサービスをご利用頂きたく、宜しくお願いします。
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