これまでの税制では企業が商品やサービスを販売した拠点に課税をすることが基本的であるが、インターネットを利用し、全世界にサービスを国境を超えて提供している大手IT企業への課税の対策がうまくできていませんでした。そこで、Google、Facebookなどの大手IT企業を狙い、新税制度を導入すると公表しました。この新税制度により、イギリス政府は年間580億円の税収入を狙っています。実際に導入されれば、先進国(G7)でははじめての導入になります。
対象
世界売上高が年5億英ポンド(約720億円)以上のIT企業
英国での売上が2500万ポンド(43億円)以上の売上のIT企業
税率
2%
開始時期
2020年4月〜
対象になると予想される企業
・Facebook 、Instagram (SNS)
・Amazon、Rakuten (Eコマース)
・Google、Bing、Yahoo (検索エンジン)
その他120〜150社ほど
何故この制度が発案されたのか
IT企業の従来の国際的な法人課税ルールとしては、国内に支店や工場など恒久的施設(PE)を持たない企業には原則、法人税を課税できず、国境を超えてインターネットで売買される電子書籍などの利益には法人税が課税できないということでした。
また、GAFAなどの企業にとってPEに該当するのは、サーバーなどの情報機器を設置する施設であるという点をつき、各社はサーバーをアイルランドなどの法人税の軽い国に設置をすることを行っていました。そのようにすることで、売上を軽課税国に集めて計上をしていました。この状況を変えようとこの制度が考案されました。今回の英デジタル税が導入される前に、EUがまずはじめに中長期的な法人課税ルール改革が実現するまでの暫定措置として「デジタル税」の導入を提案しました。その際の対象は世界売上高7.5億ユーロ(約970億円)以上、EU内でのデジタル活動売上高5千万ユーロ以上のIT企業であり、税率は3%でした。
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