はじめに
Amazon、eBay、 楽天、Shopify、WooCommerce、コロナ渦において世界で拡大し、今でやあらゆる企業が注目する「越境EC(E-commerce)」。越境ECはサイト作成後数分後から販売開始でき、世界の市場からの新たな売上機会になるといった良い面は紹介されます。反面、現地の税金や、様々なコストについてはあまり共有されていません。VATなど現地の税金は、販売者が現地の購入者に課税・徴収しますが、越境ECの場合でも課税・徴収・申告の場合は発生します。
税理士や弁護士等、国内の専門家が海外の税務や法務の知見が有る訳ではありません。
このコラムでは、越境ECの税務面について、豊富な経験を有するオプティ株式会社が「越境EC税務ナビ」としてQ&A形式で提供します。当越境EC税務ナビが、越境ECを考えている様々な企業のお役立ちになれば幸いです。
【Q】2010年に導入されたVATパッケージって何ですか。
【A】VATパッケージは2010年に導入された欧州VATに関する新しいルールです。
EU(欧州連合)では2010年1月1日に付加価値税についての新たな規定「VATパッケージ」が適用されました。このVATパッケージの採用により、クロスボーダーの商取引が大きく変わりました。このことにより、貴社の物流・サービスの流れ、申告方法、ERPのカスタマイズなど様々な処理が必要とされています。このVATパッケージの目的は、EU加盟国内のVATシステムの簡素化と役務の提供地を消費地課税とする点です。
Before | ?After (VATパッケージ後) | |
B2B原則 | 役務の提供者が事業を営む地 | 受益者の所在地 |
商品輸送 | 役務の提供者が事業を営む地 | ?受益者の所在地 |
無形資産に掛かる役務 | 受益者の所在地 | 受益者の所在地 |
レストランケータリング | サービスが物理的に行われたところ | サービスが物理的に行われたところ |
芸術・教育イベント | イベント活動が物理的に行われたところ | 受益者(顧客)の所在地 |
本来資産の譲渡またはサービスの提供を行った事業者が取引時のVATを該当するEU諸国にてVAT登録・VAT申告・VAT納付を行います。リバースチャージとは、この代わりに、資産を取得したりサービスを受けた事業者が取引時のVATを申告・納付する制度です。
VATパッケージの導入以降、当該リバースチャージの対象が拡大されることになります。
VATパッケージの導入により、影響を受ける企業は下記のような企業となります。
詳しくはお問い合わせください。
・展示会主催企業
・展示会装飾業者
・展示会参加企業
・EU(欧州連合)へのサービス提供企業
・EU(欧州連合)からのサービス購入企業
・EU加盟国でVAT登録がなされている企業
・EU(欧州連合)との取引のある企業
免責事項
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