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GPSRおよびEPR登録にVAT番号は必須でしょうか?

欧州連合(EU)における規制は近年、消費者保護や環境保全の観点から厳格化が進んでいます。その中でも、一般製品安全規則(GPSR)と拡大生産者責任(EPR)は、EU市場で事業を展開する企業が必ず遵守すべき重要な規則です。そして、これらの規則に対応する際、VAT番号が必要かどうかという点が多くの事業者にとって関心事となっています。

GPSRやEPR登録の際、VAT番号は必須ですか?

GPSRやEPRの登録を行う際には、多くの場合でVAT番号が必要となります。VAT番号はEUにおける事業者を識別するための重要なツールであり、規制当局が登録事業者を管理し、適切な税務および規制遵守を確認するための手段として利用されています。

GPSRにおいては、製品の安全性を確保するため、製造者や輸入者が登録する必要があります。この登録時、事業者が正式にEU市場で活動していることを証明するため、VAT番号の提出が求められることが一般的です。同様に、EPRでは、製品廃棄物の責任や環境への影響を管理するため、登録時にVAT番号が必要とされます。この番号は、事業者が適切な税務登録を済ませていることを示すだけでなく、規制当局にとっての透明性の確保にも寄与しています。

事業者が取るべき具体的な手順

GPSRやEPRに対応するためには、まずVAT番号を取得する必要があります。以下にその流れを詳しく説明いたします。

最初のステップは、VAT番号の申請手続きです。これは事業者がEU内で活動を開始する前に行うべき手続きであり、通常、事業者が製品を輸入または販売する国の税務当局に対して申請を行います。申請には以下の情報が必要です。

  1. 事業者情報(会社名、住所、連絡先など)
  2. 事業内容の説明(取り扱う製品やサービスの詳細)
  3. 法的書類(会社登録証明書や株主情報など)

VAT番号が取得できた後、GPSRやEPRの登録に進みます。GPSRの場合、製品の特性やリスク評価を提出し、製造者または輸入者として登録を完了します。一方、EPRでは、製品廃棄物の管理責任を履行するために、特定のリサイクルスキームに参加する必要があります。この登録時、VAT番号は事業者がEU市場で合法的に活動していることを示す証拠として機能します。

手続きには時間がかかる場合がありますので、余裕をもって準備を進めることが重要です。特に非EU居住の事業者の場合、現地の税務代理人を雇用する必要がある場合があります。

非遵守の影響

GPSRやEPRの登録を行わずに事業を展開する場合、重大な影響を受ける可能性があります。まず、法的ペナルティとして高額な罰金が科されることがあります。EU当局は、規制違反に対して厳しい措置を取る傾向があり、特に消費者の安全や環境保全が関わる場合、迅速かつ厳格に対応します。

また、製品の販売停止や市場からの排除という形で事業が直接的な影響を受けることも考えられます。プラットフォーム(例えばAmazonやShopify)によっては、GPSRやEPRの遵守を条件としており、登録が不十分な場合にはアカウントが停止されるリスクもあります。これにより、事業の継続性が大きく損なわれる可能性があります。

さらに、顧客や取引先からの信頼を失うことも避けられません。EU規制に違反している事実が知られることで、ブランドイメージが損なわれ、長期的な事業の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。

まとめ

GPSRやEPRへの登録は、EU市場で事業を行うために不可欠な要件です。そして、その登録プロセスにおいてVAT番号は重要な役割を果たします。VAT番号の取得および規制遵守の手続きを怠ることは、事業運営に深刻なリスクをもたらす可能性があります。

日本企業がEU市場での競争力を維持するためには、これらの手続きを適切に行い、法令を遵守することが不可欠です。適切な準備を行い、専門家のサポートを活用することで、円滑に登録プロセスを進めることができます。規制を遵守することで、事業の成長と顧客からの信頼を確保することができるでしょう。

オプティ株式会社は、GPSR認定代理人サービス及びEPR登録・申告サービスを提供しています。EU域内での販売に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

 

注記: このコラムは情報提供を目的としたものであり、法的助言を提供するものではありません。GPSRへの準拠については、専門家にご相談ください。