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インドの間接税は複雑?

作成者: オプティ株式会社|12/06/25 7:11

現在、様々な新興国が注目を浴びていますが、その中でもブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国、いわゆるBRICSはその一番手でしょう。 その中でも日本と特に関連が深いのが中国であるのは間違いありませんが、その次の市場としてインドも脚光を浴びています。

以前、某民生品製造の国内大手企業がインド進出した際のERP導入プロジェクトの際の税務面の要件定義を担当したことがありました。この時、インドには様々な間接税があり、非常に複雑であると痛感しました。

具体的には、下記に示す9種類もの間接税が存在します。(当時)

基本関税 (税率:0-10%、課税対象:輸入物品)
追加関税 (税率10.3%、課税対象:輸入物品)
特別追加関税(税率:4%、課税対象:輸入物品)
州付加価値税(税率12.5%、課税対象:同州への販売物品)
中央販売税(税率:12.5%、課税対象:他州への販売物品)
物品税(税率10.3%、課税対象:取引価格)
サービス税(税率10.3%、課税対象:サービス)
入境税(税率:12.5%、課税対象:州外から州内への搬入物品)
物品入市税(税率:4%、課税対象:ムンバイ市への搬入物品)

また、これらの9種類の間接税について、どれとどれが控除可能といった複雑な公式があり、当時は非常に頭を悩ませました。

ところで欧州付加価値税に関しては、インドの間接税ほど複雑な税システムは無いのでその点は分かりやすいのですが、その代わり「課税地」と「課税時 点」、そして「インボイス形式」といった点が難しい点だと言えます。これは、EUのVAT指令では様々な国をカバーするため、一国の税システムでは考えら れないような「課税地」「域内供給・域内取得」「リバースチャージ」といった考え方が発達したのだと思われます。

私論ですが、インドの間接税が複雑なのは「様々な間接税があるため」、EUのVATが複雑なのは「様々な国にまたがるため」と言えるのかもしれません。