軽減税率のためにはインボイス方式導入が必要不可欠

消費増税関連法案(2014年4月に8%、15年 10月に10%)が国会にて圧倒的多数で可決されました。

その際、食料品など生活必需品の税率を低く抑える「軽減税率」が焦点の一つに浮上しています。

今後、増税で相対的に負担が重くなる低所得者向け対策の一環として、野党から軽減税率を求める声も強まっています。

欧州連合(EU)では付加価値税の標準税率を15%以上(平均としては約20%)としつつも、日用品などは5%程度の税率にして、低所得者に配慮した税制が行われています。

しかし、これら軽減税率が適用される前提となるのがインボイス方式です。インボイス方式とは、付加価値税の計算の際に、売上と仕入の付加価値税を「取引単位」で控除する方式を示しています。このため、個別の取引の税率調整や品目毎の還付対応等を容易にさせるものです。

但しその場合、一つ一つの取引の記録として、品目毎の税率やその他の情報迄も記載する必要があり、このためには事務コストを含めた様々なコストが掛る可能性があります。

よって、これらの追加コストを無視して、一概に軽減税率の採用を行うべきではないと思います。