11. 輸入
輸入
「輸入」とは、第三国(EU域外)から資産をEU域内に物理的に持ち込むことです。輸入者が課税事業者であるか、課税対象外法人であるか、最終消費者であるかは問われず、また売買によるものである必要性もありません。
例えば、日本からフランスへの輸出は、日本サイドから見れば輸出ですが、フランスサイドから見れば輸入となります。
欧州付加価値税法上、輸入時のインコタームズによって、その対応方法が異なりますので注意が必要です。
【事例D】FOBによる日本からEU域内への輸出
日本企業が欧州域内に対してFOBで輸出を行う場合、輸入通関時の付加価値税は荷送人である当該日本企業が支払わない。このため、日本企業は欧州での付加価値税登録を行う義務はない。
【事例E】DDPによる日本からEU域内への輸出
日本企業が欧州域内に対しDDP条件で輸出を行うということは、輸入時の付加価値税を自社が払うことになる。輸入は課税要件の一つであるため、日本企業は輸入時の付加価値税を支払った加盟国において、付加価値税登録を行う義務がある。また、加盟国内の物品供給においても買主に対して付加価値税を課税しなければならない。